24年度改定率は自民党の政権復帰後トップを記録したが、日医執行部が手放しで喜べない、意外な仕掛けが埋め込まれていた。
2024年2月号 DEEP [「欲張り村の村長」に楔]
2023年12月15日午後、首相官邸。自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金スキャンダルで、永田町が騒然とするなか、厚労相の武見敬三と財務相の鈴木俊一が入れ替わり首相の岸田文雄に面会した。2024年度診療報酬改定の改定率をめぐる調整が大臣協議でも決着せず、2年前の前回同様、首相裁定に持ち込まれた。先に武見が厚労次官の大島一博や保険局長の伊原和人らを伴って岸田と面会。資料を示してプラス改定を求めて説明した。改定率を巡る厚労・財務の攻防は当初、厚労族議員や厚労省が医療従事者の賃上げと物価高を理由に、1%台後半を求めたのに対し、財務省は診療所の高い収益率を問題視してマイナス改定を主張した。双方は同月13日の大臣協議で、賃上げを図る方向では一致したものの、改定率は大きな隔たりがあり、前回と同じように最後は首相の裁定を仰ぐことになった。「民間の賃上げが進む中 ………
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