上場来の営業赤字。建築部門の完成工事粗利益率がマイナス3・3%に沈む、前代未聞の深刻さ。
2024年3月号 BUSINESS
スーパーゼネコンの一角、清水建設が異常事態だ。先頃、2024年3月期の業績予想を大幅に下方修正、330億円の営業赤字に転落するのである。持ち合い株の処分で辛うじて最終黒字は確保するものの、営業赤字は上場来初。契約後に資材や労務費の高騰で原価が膨らんだ大型工事が続出、建築部門は今期、完成工事粗利益率がマイナス3・3%に沈むというから前代未聞の深刻さだ。これを受け、同社は執行役員以上に関し最大3割の報酬返上も決めた。じつは清水建設に関しては本業不振だけでなく別の気になる事実がある。それは昨年春に起きた創業家を巡る異変だ。昨年6月、定時株主総会の招集通知が発送されたところ、おかしなことがあった。それまで創業家出身の清水基昭氏(52)が取締役として再任されると思われていたところ、何の前触れもなく弟の規昭氏(51)に差し替わっていたのである。3カ月前の3月8日、清 ………
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