「経済断影」/子育て支援金「1人500円」負担のまやかし

2024年4月号 BUSINESS [経済断影]

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政治資金パーティーをめぐる裏金問題で国会が揺れる中で、重要な法案審議が進んでいる。急速に進む少子化に歯止めをかけるため、岸田文雄政権が閣議決定した「子ども・子育て支援法等改正案」である。児童手当や育児休業給付の拡充が主な柱だが、問題はそれに伴う国民負担のあり方だ。この少子化対策の歳出に充てるため、岸田政権は2028年度までに年間3・6兆円の追加財源を捻出する方針だ。社会保障の歳出抑制などで2・6兆円を賄い、残る1兆円は医療保険に上乗せし、給料や年金から「子ども・子育て支援金」として徴収する構えだ。しかし、支援金をめぐる説明が極めて分かりにくい。岸田首相は国会答弁で、「(医療保険の)加入者1人あたりの負担額は、概算で月額500円弱」との試算を初めて示した。その上で「歳出改革と賃上げにより、国民に実質的な負担は生じない」と繰り返し強弁している。社会保障 ………

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