巨額損失につながる火薬庫を抱え八方塞がり。その原因をつくったのがSBIグループなのだから、やるかたない。
2024年5月号 BUSINESS
おしなべて経営環境が厳しい地方銀行の中でも、際立って業績悪化が目立つ地銀がある。山形県のきらやか銀行だ。全国の地銀99行の中で、今期の決算が赤字なのは同行だけ。第3四半期(12月期)時点で46億円の純損失を計上し、これに伴い同行と仙台銀行を傘下に持つ親会社のじもとホールディングス(HD)も33億円の赤字に陥った。きらやか銀行の業績不振により、じもとHDは通期でも40億円の赤字予想だ。きらやか銀行の今期の赤字は、2月末に民事再生法の適用を申請したトガシ技研への貸倒引当金が主な要因だが、実は同行にはもう一つ、巨額損失につながる火薬庫がある。有価証券の評価損だ。しかも、その直接的な原因をつくったのが、17%超を出資して支援しているはずのSBIグループなのだから、やるかたない。きらやか銀行は2020年9月期に43億円に上っていた有価証券の評価損を一括処理し、その年の11月に ………
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