特別寄稿 インドに抜かれ「GDP5位」なぜ、日本は凋落一途か/中野剛志・評論家

日本だけが成長しなくなったのは、この30年間の政策担当者が誤った経済政策を行い、世界でも突出して愚かだったから。

2024年6月号 BUSINESS [失われた30年]

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日本は、2023年のドル建ての名目国内総生産(GDP)でドイツに抜かれ、世界第4位に転落した。世界第2位の地位を中国に明け渡したのは、2010年である。しかし、中国の場合は人口が日本よりはるかに多く、また高度成長期にあった。このため、人口減少局面にある成熟社会の日本が名目GDPで中国に凌駕されるのは仕方がないというような見方が、当時は、まだ大勢を占めていた。しかし、ドイツの人口は8300万人と日本より少なく、人口が増加しているわけでもない成熟社会である。しかも、近年はドイツ経済も停滞が続いていた。特に23年はマイナス成長だったのである。したがって、もはや、人口減少だの成熟社会だのといった言い訳は通用しない。成熟した先進諸国の中でも、日本だけが異常だということだ。そもそも、日本経済は1998年以降、ほとんど成長しない状態が続いているが、これほど長期にわたって成長し ………

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