大王海運 vs. 北越コーポレーション/抗争に「新たな役者」

ヤクザ映画の傑作「仁義なき戦い」を彷彿とさせる製紙業界の抗争には続編がありそうだ。

2024年8月号 BUSINESS

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「不謹慎だけれど何事もなかったので拍子抜けだった」。製紙大手の北越コーポレーション関係者は6月27日に新潟県長岡市で開かれた定時株主総会の様子をこう振り返った。会社が提案した議案は全て可決。一方、株主提案は全て否決され、総会は約2時間に及んだものの、ほぼ無風で終わった。

ベタなぎだった株主総会

北越の株主総会は例年荒れる。約21%の株を持つ大株主の大王海運(愛媛県)の関係者が出席し、北越社長の岸本晢夫に罵声を浴びせるのが定番となっているからだ。特に今年の株主総会は紛糾すると予想された。大王海運と同様、北越の大株主である香港のアクティビスト、オアシスマネジメントが岸本の解任を求める株主提案をし、大王海運もオアシスの提案に賛成すると事前に表明していたからだ。両社を合わせた議決権比率は40%を超えていた。しかし総会の会場には大王海運もオアシス関係者も姿を見せずじまい。岸本 ………

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