連載 「経済断影」/「バラマキ合戦」ではない政策論争を!/井伊重之・経済ジャーナリスト

2024年10月号 BUSINESS [経済断影]

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候補者乱立の自民党総裁選が佳境を迎え、9月27日には新総裁が誕生する。1回目の投票で1位が見込まれる小泉進次郎元環境相に対し、2位には本当に石破茂元幹事長が入るのか。そして両者の間でどのような決選投票が繰り広げられるのか。様々な思惑が交錯する中で、熾烈な党内駆け引きが演じられているだろう。本稿を書いている段階で結果は見通せないが、気になることがある。それは各候補が掲げる政策だ。どの候補も国民の負担軽減を前面に打ち出し、増税ゼロや社会保険料引き下げのオンパレードである。派手なバラマキ合戦の様相を呈しており、政策の内容で候補者を選ぶことができない。次期首相を選ぶ自民党総裁選は結局、単なる人気投票に終わりかねない。何より驚いたのは、茂木敏充幹事長の掌返しだ。現職の幹事長ながら、岸田文雄首相が主導した防衛増税や少子化対策の支援金の停止を堂々と表明した ………

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