核燃料の供給、再処理、廃棄物の処分、核物質防護のため「新体制構築」が必要。
2024年10月号 BUSINESS
東京電力福島第一原子力発電所で2011年3月に起きた国際原子力・放射線事象評価尺度レベル7の重大原子力事故と建設費高騰の影響でしばらく息を潜めていた原子力業界が、久々に活況を取り戻している。投資家の注目の的は、既存の原発より安全性が高かったり、高レベル放射性廃棄物の発生量が少なかったりすることが特徴の「次世代革新炉」と呼ばれる新しいタイプの原子炉開発だ。「原発は温室効果ガスを出さないクリーン電源」「生成AIやデータセンターは多大な電力を消費するので原発は必要」との声にも押され、現在80を超える種類の新型炉が研究開発中。その中でメリットが大きいと日本政府も太鼓判を押すのは「ナトリウム冷却高速炉」と「高温ガス炉」だ。
ナトリウム冷却高速炉は、高速中性子で核分裂反応を起こし、金属ナトリウムを冷却材として用いて核分裂で生じる熱エネルギーを取り出し発電に ………
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