次々に隠蔽工作が発覚。国交省が「解任命令」を発動。親会社JR九州への行政処分に踏み込むか。
2024年11月号 BUSINESS
JR九州が大揺れだ。日韓を結ぶ高速船の運航を巡り、同社が全額出資する「JR九州高速船」が船体への浸水を隠蔽していたからだ。社長が指示して記録簿を改竄し、浸水を知らせる警報が作動しないように工作して運航を続けていた。国土交通省幹部は「これまで聞いたことがないほどの悪質な法令違反だ」と批判しており、海上運送法に基づいて安全統括管理者ら2人の解任を命じ、会社側に安全対策を求める行政処分を下した。解任命令の発動は初めてだ。実は同社は、昨年も浸水事故を起こして国交省から行政処分を受けたばかりだ。同省が実施した抜き打ち検査で今回の隠蔽が発覚した。北海道・知床沖で一昨年、観光船が沈没した事故を受けて海上運送法が強化された中で、大手グループが引き起こした事件は、業界内にも強い衝撃を与えている。それでもJR九州は、事件の早期幕引きを図って高速船の運航を再開した ………
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