新薬承認で審査当局が「事態は異例」と激怒。「MSワラント」を乱発。投資家に募る不信感。
2024年11月号 BUSINESS
再生医療ベンチャーの先駆者である「サンバイオ」(東京)が、新薬の承認申請をめぐり審査当局の逆鱗にふれた。同社は7月31日、研究開発を長年続けてきた再生細胞薬「アクーゴ脳内移植用注」について、条件・期限付きながら承認を取得。脳を対象とした世界初の再生医療等製品で、事故などで損傷した脳神経細胞の再生を促す効果が期待されている。だが、審査当局である「医薬品医療機器総合機構」(PMDA)が公開した審査結果報告書によると、この製品の製造過程で「異物混入」があったことが判明。対策をしてから申請するように要請されていたにも関わらず、不十分なまま申請するという暴挙に出ていたのだ。サンバイオは2001年に米国カリフォルニア州で創業し、不可能とされてきた「脳の再生」に挑戦してきた。社長の森敬太氏は東京大学大学院(農学)を卒業後、キリンビールに入社し、ビールの生産管理 ………
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