「ワースト2位」の汚名を返上した荒業。来年の最低賃金の決定は大混乱に陥るだろう。
2024年11月号 BUSINESS [経済断影]
全国で最低賃金を巡る混乱が広がっている。今年の改定では深刻な人手不足を背景にして、地方を中心に激しい引き上げ競争が展開された。なかでも徳島県は、厚生労働省の審議会が示した引き上げ目安を6割近くも上回る大幅な増額を独自に決定し、「徳島ショック」と呼ばれる衝撃が全国を襲った。徳島県は後藤田正純知事(55)が主導し、最低賃金の算定基準を変更。同県の最低賃金はこれまで全国でワースト2位だったが、基準変更で大幅な増額を実現した。これによって最低賃金の引き上げ競争が全国で過熱するのは必至だ。政府関係者は「来年の最低賃金の決定は大混乱に陥るだろう」と憂慮している。
最低賃金法で定められる最低賃金は、法定賃金として強制力を持ち、これを下回る賃金を支払った企業や経営者は罰せられる仕組みだ。厚労省の中央最低賃金審議会で例年、都道府県をA~Cの3グループに分けて目 ………
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