「APB」乗っ取り/三洋化成に背任の疑い/大林組、JFEケミカルら大株主の責任

1株5万円の価値があったAPB株を300円で売却した行為は背任に当たらないだろうか。

2024年11月号 BUSINESS

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福岡市のベンチャー、TRIPLE-1(トリプルワン)による全樹脂電池ベンチャー、APB(福井市)の乗っ取りと、日産自動車出身のAPB創業者、堀江英明氏がトリプルワンなどから送り込まれたAPB取締役3人を刑事告訴に至る経緯は、既に詳報した。告訴はまだ受理されていないが福井県警のみならず、経済安保に関わる事案として公安当局も関心を寄せている模様だ。一連の乗っ取り工作で最も不可解なのは、トリプルワンがAPBの設立当初の大株主だった三洋化成工業からAPBの発行済み株式の36%を格安で取得して筆頭株主に収まった経緯である。

あり得ない低価格で売却

トリプルワンが三洋化成からAPB株の36%を取得したのは2022年12月。三洋化成は21年6月にAPBの全樹脂電池事業に熱心だった安藤孝夫氏から樋口章憲氏に社長が代わり、同事業への姿勢が180度変わった。APBが実施しようとしていた海外での大型資金調達などを止めるように働き ………

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