半官半民から完全民営化すると決めたのに「官の後ろ盾」を手放したくない。民業圧迫のヌエだ。
2024年12月号 BUSINESS
政府系金融機関の商工組合中央金庫(商工中金)の完全民営化を巡り、混乱が広がっている。政府保有株(発行済み株式の46%)を売却するため、競争入札が実施されたが、落札率はわずか13%にとどまった。政府は予定になかった2次入札の準備を慌てて始めたが、政府関係者は「民営化ありきで進めてきた杜撰な計画が浮き彫りになった」と批判する。政府の民営化計画によると、来年6月15日までに政府保有株をすべて売却することを定めている。しかし、この期限までに全株を売却できない恐れが出てきたため、商工中金は大量の自社株買いも実施する方針を固めた。そうなれば商工中金の経営の健全性に影響するほか、株式の売却代金を国庫収入とする予定だった民営化計画にも大きな誤算が生じることになった。「売却を目指した株式が9割近くも売れ残ったのは明らかな失敗だ。結果的に杜撰な売却計画だったと批判 ………
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