「米国に頼れない」と長年堅持してきた債務ブレーキを修正。政党間の駆け引きが激化。
2025年5月号 POLITICS
長年ドイツを縛ってきた「くびき」が唐突に解かれた。独連邦議会は3月18日、憲法に相当する基本法の改正法案を可決した。連邦政府に国内総生産(GDP)の0.35%を超える財政赤字、各州政府には一切の財政赤字を禁じていたドイツ独自の「債務ブレーキ」ルールを初めて修正。GDPの1%を超える防衛予算と、2025年から12年間で最大5千億ユーロ(約81兆円)を拠出するインフラ特別基金について「債務ブレーキを適用しない」と改めた。
「防衛についての多額の投資が急務だ。これは私たちが今生きている時代における政治の正しい対応といえる」2月23日投開票の総選挙で第1党となった保守系のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)党首で、5月にも次の首相に就く見通しのフリードリヒ・メルツ氏は法案可決に安堵の表情を浮かべた。総選挙から1カ月も経たず、新しい連立政権が成立する前に「憲法改正」に踏み切 ………
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