経済秘話/旧経営陣に「逆転敗訴」/「東芝十年裁判」の不毛

「東芝は格好だけではないですか。株主から『ちゃんと責任者を罰しろ』と言われたので仕方なくやっただけ……」

2025年5月号 BUSINESS [誰一人お咎めなし]

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東京高裁は3月19日、東芝に「敗訴」を言い渡した。2015年に発覚した東芝の組織的な粉飾決算について、東芝が旧経営陣に求めた損害賠償請求訴訟で、彼らに「お咎めなし」というのである。「いったい、あの裁判は何だったのか」。東芝の社員のみならず、10年を超える東芝の経営の迷走を知る者からすると、驚愕の判決である。

大敗を喫し慌てて最高裁に上告

東芝は15年11月、故西田厚聰、佐々木則夫、田中久雄の3人の元社長と、村岡富美雄、久保誠の両元副社長(元CFO)の計5人に損害賠償を求めて東京地裁に提訴。東京電力の株主代表訴訟で故勝俣恒久会長ら4人に13兆円余りの支払いを命じる厳しい判決を下した朝倉佳秀裁判長が指揮したこともあって、一審の東京地裁は23年3月、東芝の旧経営陣5人に3億円余の賠償を命じる判決を下した。内容はさておき、形の上では「東芝勝訴」ではあった。しかし、訴訟の過程で「主犯格」の西田が17年 ………

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