2025年5月号 BUSINESS [商略「探照灯」]
「あんたのところの弟たちは皆会社に入ってしまって誰も残っていないのかい」。半世紀ほど前のこと、広島市に本拠を置くスーパーマーケット「いづみストアー(イズミの前身)」の創業者・山西義政(2020年死去、享年97歳)は新幹線車中で旧知の同業者と偶然隣り合わせになった。相手は「八百半デパート(ヤオハンの前身、現マックスバリュ東海)」社長の和田一夫(19年死去、同90歳)。父・良平と共に静岡県熱海市の八百屋から商いを始めた母・カツ(93年死去、同86歳)は平均視聴率52.6%を記録したドラマ「おしん」のモデルとして知られるが、オンエアは83~84年でまだ後のことだ。「実は末っ子1人だけが、会社に入らず、今はアメリカで暮らしている」という。スタンフォード大大学院に留学中で化学を専攻し「将来は学者になると言ってる」と一夫は笑いながら話した。さぞや優秀な坊(ぼん)なんやろ ………
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