デカコーンの根拠は昨年12月の増資。乾坤一擲の起死回生策に見えるが、要は数字のマジックだ。
2025年5月号 DEEP
「和製『デカコーン』の誕生」(3月13日付日本経済新聞)――。昨今そう持て囃されているベンチャーが存在する。デカコーンとは株式時価総額が100億ドル(約1.5兆円)を超える未上場企業を指す。そのベンチャーの名は「GVE」(東京都中央区)。設立は2017年。金融デジタル化技術などを開発し、従業員はわずか4人。そんな同社を率いる経営者の名は房広治氏という。この名前を聞いてピンと来る向きは少なくないはず。今から15年前に世間を騒がせた富士通の社長辞任トラブルにおいて陰の主役とも言えたからだ。騒動はこういうものだった。富士通の野副州旦(くにあき)社長が突如辞任したのは09年9月。が、5カ月後に辞任の意思表示を取り消すと公表した。不当な理由によって、取締役相談役の秋草直之氏(故人)ら他の役員に詰め寄られ、意思に反し辞任届を書かされたと言い始めたのだ。理由とされたのは野副 ………
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