新たな進路を探っているところを「トランプ関税」が直撃。新社長はいきなり大きな試練に直面する。
2025年6月号 BUSINESS
4月1日、セイコーエプソンの新社長に吉田潤吉氏が就任した。社長から会長に転じる小川恭範氏は63歳で吉田氏は60歳。若返り人事とは言えず、しかも2人は1988年の同期入社という異例のトップ人事だった。理系社長が続く同社では珍しく吉田氏は慶応大学経済学部卒。メディアは「初代社長の服部一郎氏以来の文系社長」と報じて騒いだが的外れだ。セイコーエプソンは諏訪精工舎が、その子会社のエプソンと1985年11月に合併して発足した。だがセイコーエプソンは創業を42年5月18日と定めている。諏訪精工舎の母体である第二精工舎の協力会社だった大和工業の発足を創業と位置づけた。実質80年以上の社歴があり、折り返し点の85年以降の社長だけ取り上げても意味が無い。
セイコーエプソンの歴史は複雑だ。日本における時計ビジネスの先駆者、服部金太郎氏は1881年に服部時計店(現セイコーグループ)を創立 ………
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