2025年10月号 POLITICS [「暗闇の森」を歩く]
8月中旬、米アラスカで行われたウクライナ戦争をめぐるトランプ米大統領とロシアのプーチン大統領との首脳会談の直後のこと。一緒に食事をしていた訪日中のある西側諸国の政府関係者は、米ロ間の交渉の見通しを一通り語り終えると、ふと物思いにふけるような表情でこう語った。「今回の米ロ首脳会談のように、小国の運命を大国が決する時代となってしまった」そして、唐突に「君は、トランプが本気でグリーンランドとパナマ運河を所有しようと考えていると思うか?」と聞いてきた。私が武力を使うという意味か? そんなことはあり得ないだろうと返すと、この人物は真顔で「我々の政府の人間は『五分五分の可能性がある』と考えている」と答え、「もし米国がグリーンランドとパナマ運河を所有すれば、世界は劇的に変わるだろう」と述べた。そして、こう語った。「既存の国際秩序はもはや完全に壊れ、私 ………
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