経済安保を盾にして、外資による企業買収を防いだり、省庁が縄張り争いをしたり。国益を守るという視点が欠けている。
2025年10月号 DEEP [セブン買収防衛の口実にも]
2025年7月16日、中国の裁判所はスパイ罪で起訴されたアステラス製薬の社員に対して懲役3年6カ月の実刑判決を言い渡した。その社員は控訴しなかった。約5カ月前の2月25日、日本でも中国人に対する産業スパイ事件に関する判決が出た。東京地裁は中国籍の研究者に対し、懲役2年6カ月、罰金200万円の執行猶予付き有罪判決を下した。日中の判決を比較して日本は甘い、という見方も有識者の間で出ている。
日本の産業スパイ事件の舞台は、茨城県つくば市にある経済産業省所管の国立研究開発法人の産業技術総合研究所(産総研)。中国籍の元主任研究員、権恒道被告が営業秘密に当たるフッ素化合物の合成技術に関する研究データを中国企業にメールで送信したとして、不正競争防止法違反の疑いで2023年6月に警視庁公安部に逮捕、起訴されていた。権被告は一審判決後、控訴した。23年7月4日付朝日新聞の報道によ ………
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