「芝浦電子TOB」/外為法に翻弄された百戦錬磨のミネベアミツミ

2025年10月号 DEEP

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温度センサーで世界トップクラスの芝浦電子が今年、TOB(株式公開買付け)合戦で話題になった。向かいあったのは台湾の大手部品メーカー・国巨(ヤゲオ)と、ホワイトナイトのミネベアミツミ。価格は数度にわたって引き上げられ、最終局面では当初の1.7倍前後の水準まで達した。だが騒動を単なる「高値争奪戦」と見るのは表層的。背後には、芝浦電子経営陣のマネジメントや、外資による投資への対応といった構造的問題が潜んでいた。芝浦電子は売上高約340億円(2024年度)。車載事業が柱の一つで、内外の主な自動車メーカーと取引がある。特に「サーミスタ」と呼ばれる半導体温度センサーで世界トップシェアがあり、一般的知名度こそ高くはないが、部品業界では知らぬ人がいない。仕掛けたヤゲオの陳泰銘(ピエール・チェン)会長は内外でM&Aを積極展開し、一代で売上高約5千5百億円規模の企業を作り ………

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