地盤沈下や隆起、井戸水の枯渇などトラブル続出。工事費4兆円増で済むはずがない。
2025年12月号 LIFE
JR東海がリニア中央新幹線の工事費大幅増を表明した。新たな見積もりによる品川~名古屋間の総工費は11兆円。これは2021年4月の見直し時点に比べ1.5倍強、14年12月の着工時との比較では2倍となる。最大の難所とされる南アルプストンネル静岡工区が未着工のほか、着工済みのトンネル工事現場周辺で地盤沈下や地面の隆起、井戸水の枯渇・水位低下などのトラブルが続出。今回の見直し内容も開業時期が未定など曖昧模糊としており、さらなる工費膨張は不可避といえる。
「まだ申し上げられない」10月29日、JR東海社長の丹羽俊介(60)は名古屋市内で開いた記者会見でリニア開業の時期についてこう語った。今回の工費膨張の主な理由として同社は①物価等高騰の影響(+2.3兆円)②難工事への対応(+1.2兆円)③仕様の深度化(+0.4兆円)――を挙げ、これらの合計額4兆円弱が従来の総工費7兆400億円に加算され ………
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