東京メトロ「天下り跋扈」/救いがたい「ガバナンス不全」

上場しても大株主の国と都に頭が上がらず、天下りが跋扈する企業体質は変わらない。

2025年12月号 DEEP

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東京の大動脈を担う東京地下鉄(メトロ)の企業統治(コーポレートガバナンス)を巡る機能不全が深刻だ。昨年10月に鳴り物入りで東証プライム市場に上場を果たしたものの、上場を率いた山村明義前社長(67)が社員に不適切な言動を行っていたことが判明。株式上場の立役者が取締役(グループ戦略会議議長)を辞任、経営の一線から身を引く事態に発展した。同社の統治不全はこれだけではない。国土交通省から会長に天下っていた本田勝・元国交事務次官(72)は、民間企業の社長人事に介入したとして会長を辞任したが、これと前後して東京メトロ子会社の嘱託に就き、今年1月には東京メトロの顧問に密かに復帰していた。世間の常識からかけ離れた人事に上場会社としてのあり方が問われている。

悪しき言動で突然辞任

山村前社長による不祥事が発覚したのは今年8月。東京メトロの内部通報窓口に「社員に不適切な言動を行った」 ………

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