2025年12月号 DEEP
「とてもいい時に天国に行かれたのではないですかね」――。今年6月5日、都内のホテルで開かれた老舗百貨店「松屋」の創業家、古屋勝彦前会長の「お別れ会」(死去時は1月18日)に参列したアパレルや化粧品メーカーの首脳がこんな言葉を漏らしていた。2025年2月期の松屋の総額売上高は1371億円で過去最高を記録。営業利益も大幅増(50%増)の44億円。2年前の23年に長男の毅彦氏を社長に引き上げた。創業家としては事業継承が極めて順調に進んだことになる。だが、「とてもいい時」は長くは続かなかった。同社の8月中間決算期で、営業利益が前年同期比63%減の10億円に沈んだ。旗艦店である銀座本店の免税売上高が同35%減の203億円となった。利幅のとれるラグジュアリーブランドの動きが止まったのが主因だ。松屋の売上高の約4割が免税売上高で、業界でもっとも恩恵を受けており、影響は甚大だ。松屋だけ ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。