2026年1月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

ABCアークの親会社、朝日放送テレビ本社(HPより)
テレビ朝日系列の朝日放送テレビ(ABCテレビ)が100%出資する出版子会社「ABCアーク」(東京都港区)は11月4日、「事業停止のお知らせ」を公表した。2026年3月31日をもって全事業を停止し、その後に清算手続き入りする方針を決めた。
同社は、雑誌『歴史人』(毎月6日発売)の発行をはじめとする出版事業、地域創生事業を行ってきた。特に雑誌『歴史人』は、2010年9月に創刊した歴史エンターテインメントマガジンで、発行部数約7万部を誇り、「歴史カテゴリー売上No.1の月刊誌」を謳っていた。しかし、経営状況の悪化に加え、今後も出版市場の急激な構造変化や原材料の高騰などをはじめ同社を取り巻く環境は厳しく、経営改善の見込みは低いと判断した。
帝国データバンクによれば、2025年1~10月の出版社の倒産は19件を数える。7月には、船井電機の実質親会社で『はじめての』シリーズを出版していた、「秀和システム」(東京都江東区)が負債50億円を抱えて破産している。ジャンルは異なるが、女性ファッション誌『MORE』(集英社)も2025年9月26日発売号をもって休刊に追い込まれた。
ABCアークのグループ中核企業である朝日放送グループホールディングス(東証プライム)は、直近の2026年3月期第2四半期(中間期)決算において、放送事業を中心に増収増益を計上、大阪・関西万博によるコンテンツ事業も貢献した。好調な親会社業績をよそに、構造的な業界不況のあおりを受けて専門出版社がまたひとつ姿を消した。