2026年11月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
漢方薬の原料である「生薬」と呼ばれる薬用植物の国産化を進めようとする機運が広がっている。背景にあるのは生薬の中国依存度の高さ。その8割が中国産とされ、日中関係の急激な悪化や経済安全保障に対する意識向上から「第二のレアアース」(厚生労働省関係者)にされてはたまらないとの認識が強まっている。こうした空気を反映し、日本経済新聞も「ツムラ、中国依存の生薬国産化急ぐ」といった煽り見出しの記事を掲載するなどはやし立てている。しかし、こうした外野の期待とは裏腹に「そうすんなり行く訳がありませんよ」と大手漢方薬メーカー幹部は声を潜める。工業製品と異なり、生薬は天然物。その栽培地の土壌や気候をはじめ自然に左右される要素が極めて大きく、同じ生薬を日本で栽培しても「漢方で使える品質を確保するのが難しいのです」と説明する。そもそも農業従事者の高齢化や減少が著し ………
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