USENに見放されたライブドアは外資の餌食?

2007年10月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

  • はてなブックマークに追加

経営再建中のライブドアグループの先行きに不透明感が増している。業務提携しているUSENの宇野康秀社長が8月、保有していたライブドアホールディングス株をすべて米系のモルガン・スタンレー証券の関係会社に譲渡する方針を決定。グループ立て直しの主導権は完全に外資系の金融機関や投資ファンドが握った。

ライブドアは業績が好調なソフト販売子会社の弥生を投資ファンドのMBKパートナーズに譲渡することも決めており、早期の業績回復は望みにくい状況だ。

宇野社長は昨年3月、フジテレビからライブドア株12.74%を取得し、同社と業務提携。USENとライブドアの資本提携を検討したほか、株式交換によるライブドアの完全子会社化も視野に入れていた。

しかし、USENはインターネット無料動画配信サービスの初期費用がかさんだことなどから業績が伸び悩み、株価が落ち込んだため、株式交換による完全子会社化は困難な情勢になった。自らの業績立て直しを迫られた宇野氏は資本提携を躊躇。ライブドアが稼ぎ頭の金融部門を手放したことで、資本提携の魅力も薄れてしまった。

宇野社長は「株取得は混乱時期にあったライブドア新経営陣をサポートするため。その目的、役割を終えた」と説明する。業務提携は継続するものの、目立った成果は上がっておらず、両社経営陣からは業務提携を発表した当時の熱意が感じられない。外資から再建の圧力が掛かるライブドアは、インターネット事業の立て直しがますます急務となっている。

   

  • はてなブックマークに追加