2009年1月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
「派遣切り」が深刻な社会問題になるなか、社民党の福島みずほ党首は11月21、22の両日、東京・三宅坂の党本部で電話相談「派遣・非正規の切り捨てを許さない怒りのホットライン」を開設した。管理職ユニオンやガテン系連帯組織など派遣労働問題に取り組む労組の協力を得て、福島党首や又市征治、辻元清美、保坂展人ら同党国会議員7人が受話器を取った。その模様は、ニコニコ動画が運営する「ニコニコ生放送」のウェブサイト上で放映された。同サイトへの入場者数は7万8千人(コメントは4万件)と大きな反響があった。2日間で電話26件、メール10件など計三十数件の切実な声が寄せられた。その数例を紹介すると――。
「3年以上勤務したのに直接雇用申し込みどころか有給休暇も取れない。派遣元は5割もピンハネしているのに、派遣先は派遣社員の待遇を全く知らない」(北海道の派遣・男性)、「派遣を続けて3年目になる。なぜ、正社員になれないのか。今後がとても不安だ」(都内の製造業派遣・男性)、「派遣元の会社は宣伝に何億ものカネをかけているのに、肩身の狭い思いをして働く私たちには何の保障もない」(長野県の半導体メーカー派遣・37歳男性)、「自動車工場の期間工だが年末に雇い止めで宿舎を出される」(東京・48歳男性)、「10月28日にいきなり『11月20日に辞めてくれ』と言い渡された。どうやって生きていけばいいのか」(福岡県の自動車部品メーカー派遣・39歳女性)
初日の受け付け終了後に福島党首は会見し、こうした「派遣切り」の実態を紹介。「人の気持ちや人生設計を一体何と考えているのか」と怒りをあらわにし、現実とかけ離れた政府の労働者派遣法改正案を厳しく批判した。