菅首相誕生で財務省が軟化JAL再建に道筋

2010年7月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]

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日本航空が日本政策投資銀行、みずほコーポレート銀行など主力取引金融機関に対して更生計画の叩き台を提出した。今年度中に従業員を1万6千人削減、国内と国際を合わせて45路線を廃止するなどして、来年度に連結営業利益730億円、12年度には1150億円を確保する計画だ。

JAL再建を巡っては複数の計画が策定された経緯がある。今回、提出した叩き台はいわゆる「C案」と呼ばれるものをベースとした内容だ。

JALはこのC案を4月末に発表したが、取引金融機関は「まだ甘い」と難色を示し、特に振れ幅の大きな国際線のリストラを迫った。しかし「4月以降、航空需要が盛り返しており、強烈な縮小均衡はかえって再建にマイナス」という声が当の取引金融機関からも浮上。風向きが変わりつつある。今後、多少の対立はあろうとも「8月末をメドとする更生計画案提出の道筋は見えてきた」(航空関係者)。

JALにとって最大のハードルは、同社に一番貸し込んでいる政投銀の出方だが、バックにいる財務省が態度を軟化させている。原因は菅直人首相の誕生だ。首相が強調する財政再建は財務省の「1丁目1番地」。JAL再建問題が迷走して菅政権が揺らぐことになれば、悲願達成も水泡に帰す。「このまま穏便にまとまるのではないか」(政府関係者)との見方が広がっている。

   

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