読者の声

2012年11月号 連載

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20年近くロンドンで生活し数年前に日本に戻ってきた私は、未だ母国では「浦島太郎」ながら、浦島太郎なりに国力とは何かと考えることが増えた。幾多の要素で構成される国力の重大要素のひとつはメディア力だと考える。私の過ごした老大国・英国のメディアは称賛に値する。思想哲学・識見・専門性に加え、まず何よりも事実に徹底肉薄する「勇気」を持つ。The Economist、フィナンシャルタイムズなどの新聞に始まり、地政学分析が専門のOxford Ana
lytica、インテリジェンス情報機関Hakluytも広義の意味での英国メディア・国力だ。翻って母国の事情はお寒い限り。最近、私は日本の新聞・雑誌をあまり読まなくなった。

そんな時、先輩から勧められ手にした雑誌がFACTAであった。半信半疑で読んでみたが、興奮すら覚え「日本のThe Economistになる潜在性を秘める」と感じた。なぜか?FACTAには「真実を突き詰める勇気」があるからだ。勇気があれば道は開ける。逆もまた真なりである。

エピキュール・グループ社長 青木健太郎

   

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