「落合インデックス」が決算修正で瀬戸際

2013年6月号 BUSINESS

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八方ふさがりとはこのことだ。

ジャスダック上場のインデックスが4月15日に公表した第2四半期報告書に、過去の決算書を訂正する可能性があると記載。バランスシート上、資産の部の繰延税金資産と、純資産の部のその他有価証券評価差額金の過大計上を改めるよう監査法人に求められたことを明らかにした。決算修正を行うかどうか、5月に入っても結論は出ていない。

2010年に日本振興銀行が経営破綻して以降、インデックスは金融機関から新規の資金調達が困難になっているとみられるうえ、この数年の業績は急激な悪化の一途で、債務超過に陥っている。信用調査会社によると「最近は現金での前払いでなければインデックスと取引しない企業も増えている」という。

インデックスの経営実態がいかに複雑で深刻であるかは、細部によく表れている。

インデックスの取引銀行の中で最も融資が多い整理回収機構は、前期末時点で73億円の残高を抱えているが、実は整理回収機構にはこれ以外にも実質的にインデックス向けと言っていい融資が30億円余りある。落合正美会長の資産管理会社である落合アソシエイツに対する貸し付けがそれだ。もともと振興銀行が貸し付けたのを整理回収機構が引き継いだが、回収が進んでいないという。落合アソシエイツとその子会社、そしてインデックスの三者間で増資と引き受け、融資と債務保証を行い、債権・債務関係や出資関係が錯綜しているためだ。

懐事情が厳しい連結子会社もある。子会社でネット関連事業のシルバーアロー・モバイルは昨年末で休眠状態になった。インデックスからの貸付金も35億円ほど残っている(うち21億円は引き当て済み)が、すでに債務超過に陥っているから回収は不可能と見るべきだろう。インデックスの資産規模から見て、負担はかなり重いはずだ。

日本振興銀行が民事再生法の適用を申請した10年9月以降は、インデックスの子会社売却もほとんどなくなった。振興銀行と並んで資金の循環に加わっていたNISグループも昨年5月に民事再生法を申請。インデックスが子会社を連結から外す際に、NISは投資事業組合を用いてその受け皿となってきたが、それもかなうまい。

インデックスの子会社売却は「失敗したM&Aの後始末」であるのは間違いなかろうが、それだけで片付けることはできない。グループ内取引のあった子会社に第三者割当増資を行わせ、保有株数を維持しながら連結から外せば、外部取引として売上高のかさ上げ要因になるし、受取配当金は営業外収入を押し上げる。こうした要因がなければ、インデックスの実質的な収益規模は公表されている以上に悪化している可能性があるのだ。

インデックスは経済誌などの「倒産危険ランキング」で常に上位を占めている。ここで敢えて採り上げるのは、同社やその関係者が闇社会との結節点になっている疑いがあるからだ。

インデックスの周辺にはこれまでに他社株を暴力団に流出させた「前科」があり、これに関わった人物が最近になって別の企業を舞台としたM&Aで数百億円もの不可解な海外流出を主導したとの情報もある。インデックスが破綻するようなことがあれば、その後に何が飛び出してくるのか分からない。

   

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