地銀協会長の器に非ず?横浜銀行頭取に退任説

2014年7月号 BUSINESS [インサイド]

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全国地方銀行協会の会長に寺門一義常陽銀行頭取が6月18日に就任。地銀協会長は2011年に、大蔵省(現財務省)OBの小川是横浜銀行頭取(当時)から中西勝則静岡銀行頭取に交代して以降、地銀業界生え抜きの頭取が1年ごとに務めており、中西氏から数えて寺門氏は4人目となる。実は横浜から静岡に会長行が交代した際に、両行に千葉、福岡、常陽を加えた5行が輪番で会長行を務める合意が内々に成立していた。これに従えば寺門氏で輪番は一巡し、来年は寺澤辰麿浜銀頭取に禅譲されて、大蔵省OBへの「大政奉還」が実現することになる。

ところが寺澤氏の地銀協会長就任が危ぶまれている。もともと浜銀の頭取ポストは代々、大蔵省の事務次官OBが占めてきた。国税庁長官の寺澤氏は「格落ち」の感が否めない。特に最近は、再編圧力を強める畑中龍太郎金融庁長官に対し、業界側は反発を強めており、「金融庁長官にモノ申すのは、寺澤さんでは荷が重い」(業界関係者)との評がもっぱらだ。

実際、寺澤頭取の下で浜銀は地盤沈下が目立ち、今年1月に有力地銀9行が立ち上げた広域ネットワークが浜銀抜きで進められたことは、業界だけでなく当局にも衝撃が走った。こうした空気を反映して、寺澤頭取の退任説が囁かれ、財務省は水面下で、浜銀頭取の後任人事の検討に入ったという。もっとも省内には、武藤敏郎元事務次官(大和総研理事長)に蹴られ、なり手のなかった浜銀頭取ポストを引き受けた寺澤氏をきちんと処遇すべきとの声もある。果たして、寺澤頭取は異例の早期退任となるのか、それとも協会長の座に就き、花道を飾るのか。

   

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