2014年10月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
11月1日~3日、日本共産党の公開野外イベント「第41回赤旗まつり」が開催される。メーンイベントは「演歌の女王」八代亜紀(64)オンステージ。もちろん初出場だ。
そもそも赤旗まつりは、ユーロコミュニズムが華やかなりし頃の仏、伊共産党のユマニテ祭、ウニタ祭(党機関紙名を冠したフェスティバル)を真似たもの。92年以降は江東区・夢の島公園を会場に、1日10万人以上を動員してきた実績があり、今回も3日間で30万人以上の参加を目指している。志位和夫委員長は7月の党創立92周年講演会で「政権打倒の国民的大運動」を呼びかけ、「昨年の都議選、参院選の大勝利に続き、来春のいっせい地方選でも大躍進」と意気盛んだが、党の内情は苦しい。機関紙「赤旗」の部数がジリジリと減り続け、赤字が膨らんでいるからだ。9月以降、まつりの準備に駆り出される党職員は「手弁当のボランティア」という。元党職員は「1週間も現地に泊まり込み、冷たい弁当ばかり食わされた。重労働で体調を壊した人もいた」と振り返る。
ワンステージ500万円と噂される「演歌の女王」を招くのは、統一地方選に向けた結束固めの狙いがある。「政権打倒へ各分野でくり広げられている運動を持ち寄って交流する場として、広場やテントの設置も検討しています」(赤旗より)。共産党の地方議員数は、2000年の4462人から2680人(9月8日現在)へ、4割も減ったうえ、党員の高齢化が進み、平均年齢は60台後半と囁かれる。
赤旗まつりの入場券(3日間有効の前売り券2500円)販売から参加者集めまで、実際に汗をかくのは地方議員と末端の党支部だ。「八代演歌」に馴染んだ60~70代の党員の踏ん張りが、党勢拡大のカギを握るというわけだ。4年ぶりに開催される「赤旗まつり」が、統一地方選に向けた景気づけとなるか。八代オンステージの盛り上がりが見ものである。