「FACTA」発刊200号突破、おめでとうございます。創刊以来の読者です。さて小宮山宏第二十八代東大総長は「教養」とは「本質を捉える知」「他者を感じる力」「先頭に立つ勇気」と学生に言い続けたそうですが、まさにファクタはオリンパスを始め幾多の事件を先陣を切って報道してきました。昨年は日大が大きく揺れました。伏魔殿の日大の深い闇に以前から真っ先に突入し光をあてたのもファクタです。圧力や妨害で身の危険を感じる場合もあられたのではと想像しますが、内部告発呼びかけキャンペーンを展開するなどブレることなく勇気を持って報道を継続しました。その結果、遅まきながら前理事長、田中氏の逮捕と退陣につながりました。現在の集中連載、その後の日本大学もとても興味深いです。十二月号の「薬価引き下げスパイラル」は高齢化社会の今タイムリーな上、今日に到る医療行政の流れがよくわかる秀逸な記事で目を引きました。ファクタが今後も成長を重ね、私たちの良き道標であり続けることを信じてやみません。

在日米海軍勤務　佐藤倫子